Erlangでのパッケージ管理の基本
Erlangは並行処理や分散システム向けに設計されたプログラミング言語であり、その特性から広く利用されています。Erlangプロジェクトでのパッケージ管理は、依存関係の解決やビルドの自動化など、効率的な開発を支援する重要な要素です。本記事では、Erlangでのパッケージ管理の基本について解説します。
概要
Erlangプロジェクトでのパッケージ管理には、主にRebar3とHexというツールが使用されます。Rebar3はErlangプロジェクトのためのビルドツールであり、HexはErlang向けのパッケージマネージャです。これらのツールを使うことで、依存関係の解決やパッケージの取得、ビルドの自動化などを効率的に行うことができます。
コンテンツ
- Rebar3のインストール
- プロジェクトの作成
- 依存関係の管理
- パッケージの取得
- ビルドの実行
- テストの実行
- パッケージの公開
1. Rebar3のインストール
まずはじめに、ErlangプロジェクトでRebar3を使用するために、Rebar3をインストールする必要があります。以下のコマンドを使用して、Rebar3をインストールします。
$ wget https://s3.amazonaws.com/rebar3/rebar3
$ chmod +x rebar3
$ sudo mv rebar3 /usr/local/bin/
これでRebar3がインストールされました。次に、ErlangプロジェクトのディレクトリでRebar3を初期化します。
$ rebar3 new app my_app
2. プロジェクトの作成
上記のコマンドで、”my_app”という名前の新しいErlangプロジェクトが作成されます。プロジェクトのディレクトリ構造は以下のようになります。
my_app/
|-- src/
| `-- my_app.erl
|-- rebar.config
|-- README.md
|-- LICENSE
`-- .gitignore
3. 依存関係の管理
Erlangプロジェクトでは、依存関係の管理にRebar3を使用します。
ファイルに依存するパッケージを追加することで、Rebar3がそれらのパッケージを自動的に取得し、ビルドに含めることができます。
{deps, [
{cowboy, "2.6.3"}
]}.
4. パッケージの取得
依存関係を追加した後は、Rebar3を使用してパッケージを取得します。
$ rebar3 get-deps
これにより、指定した依存関係のパッケージが取得されます。
5. ビルドの実行
Erlangプロジェクトのビルドは、Rebar3を使用して行います。
$ rebar3 compile
これにより、プロジェクトのソースコードがコンパイルされ、実行可能なバイナリが生成されます。
6. テストの実行
Erlangプロジェクトでは、ユニットテストを行うことが重要です。Rebar3を使用して、テストを実行することができます。
$ rebar3 eunit
これにより、プロジェクトのユニットテストが実行されます。
7. パッケージの公開
自分のErlangパッケージをHexパッケージマネージャに公開することもできます。まず、Hexにログインします。
$ rebar3 hex user register
$ rebar3 hex publish
これにより、自分のErlangパッケージがHexパッケージマネージャに公開されます。
まとめ
Erlangプロジェクトでのパッケージ管理には、Rebar3とHexというツールが使用されます。Rebar3を使用することで、依存関係の解決やビルドの自動化などを効率的に行うことができます。また、Hexを使用することで、自分のパッケージを公開したり、他のパッケージを取得したりすることができます。Erlangプロジェクトでのパッケージ管理を理解し、効果的に活用することで、効率的な開発が可能となります。
以上が、Erlangでのパッケージ管理の基本についての解説でした。Erlangプロジェクトでのパッケージ管理について学び、実践してみてください。
よくある質問
- Q. Erlangでのパッケージ管理にはどのような方法がありますか?
-
A: Erlang/OTPにはRebar3とMixなど、パッケージ管理を行うためのツールがあります。それぞれのツールには独自の特徴がありますので、プロジェクトの要件に合わせて適切なものを選択することが重要です。
-
Q. Rebar3とMixの違いは何ですか?
-
A: Rebar3はErlangのパッケージ管理とビルドツールであり、MixはElixirのプロジェクト管理ツールです。Rebar3はErlang向け、MixはElixir向けという違いがあります。ただし、Rebar3はElixirプロジェクトでも使用可能です。
-
Q. パッケージの依存関係を管理するにはどうすればよいですか?
-
A: パッケージの依存関係は、各プロジェクトのルートディレクトリにある
rebar.configや
mix.exsファイルで管理します。ここに依存するパッケージを明示し、ビルド時に自動的にダウンロードやビルドが行われます。
-
Q. ローカルにパッケージをインストールする方法はありますか?
-
A: はい、Rebar3では
rebar3 get-depsコマンドを使用して、ローカルにパッケージをインストールできます。Mixでは
mix deps.getコマンドを使用します。これにより、プロジェクトに必要なパッケージがローカルにダウンロードされます。
-
Q. パッケージのバージョンを指定する方法はありますか?
- A: はい、依存するパッケージのバージョンは、
rebar.config
や
mix.exsファイル内で明示的に指定することができます。バージョンを指定することで、プロジェクトが依存するパッケージのバージョンを制御することができます。