【Bash/Shell】初心者向けの継承とファイルの読み書き

Bash/Shell初心者向け:継承とファイルの読み書き

概要

BashやShellスクリプトを学ぶ初心者にとって、環境変数の継承とファイルの読み書きは基本的な要素です。この記事では、環境変数の継承について説明し、その後にファイルの読み書きに焦点を当てて解説します。具体的なサンプルコードを交えながら、初心者でも理解しやすいように説明していきます。

環境変数の継承

環境変数の継承は、親プロセスから子プロセスへ変数を引き継ぐ仕組みです。これにより、シェルスクリプト内での環境変数の利用が可能になります。

環境変数はシェルスクリプト内で使用される重要な要素であり、親プロセスから子プロセスへ引き継がれることで、システム全体で共有される環境変数が利用できるようになります。

具体的な例を見てみましょう。以下のようなスクリプトがあるとします。


#!/bin/bash
export MY_VAR="Hello, World!"
./child_script.sh

上記のスクリプトは、

MY_VAR

という環境変数を設定し、その後

child_script.sh

を実行しています。

child_script.sh

は以下のようになっています。


#!/bin/bash
echo $MY_VAR

このように親プロセスで定義された

MY_VAR

は、子プロセスに引き継がれて利用することができます。

ファイルの読み書き

シェルスクリプトでは、ファイルの読み書きが非常に重要です。ファイルを読み込んでその内容を加工し、または新しいファイルに書き込むなど、様々な用途でファイルの読み書きが必要となります。ここでは、ファイルの読み書きについて具体的なサンプルコードを交えながら説明します。

ファイルの読み込み

ファイルの内容を読み込むには、

cat

read

コマンドを利用します。以下は

cat

コマンドを使用したファイルの読み込みの例です。


#!/bin/bash
file="example.txt"
while IFS= read -r line
do
  echo "$line"
done < "$file"

上記のスクリプトでは、

example.txt

というファイルの内容を行ごとに読み込み、それを画面に表示しています。

ファイルへの書き込み

ファイルへの書き込みには、

echo

printf

コマンドを使用します。以下は

echo

コマンドを使用したファイルへの書き込みの例です。


#!/bin/bash
file="output.txt"
echo "Hello, World!" > "$file"

上記のスクリプトでは、

output.txt

というファイルに “Hello, World!” という内容を書き込んでいます。

サンプルコード

以下に、環境変数の継承とファイルの読み書きを組み合わせたサンプルコードを示します。このスクリプトは、親プロセスで定義された環境変数を子プロセスで使用し、またファイルから内容を読み込んでそれを加工して別のファイルに書き込むという動作を行います。


#!/bin/bash
export MY_VAR="Hello, World!"
./child_script.sh

file="input.txt"
output="output.txt"
while IFS= read -r line
do
  echo "Read from file: $line"
  echo "Processed: $line" >> "$output"
done < "$file"

child_script.sh

は以下のようになっています。


#!/bin/bash
echo "Using MY_VAR from parent process: $MY_VAR"

まとめ

この記事では、BashやShellスクリプトを学ぶ初心者向けに、環境変数の継承とファイルの読み書きについて解説しました。環境変数の継承によって親プロセスから子プロセスへ変数を引き継ぐ仕組みを理解し、ファイルの読み書きについても具体的なサンプルコードを交えて説明しました。これらの基本的な概念を理解し、サンプルコードを参考にしながら実際にシェルスクリプトを作成してみてください。

よくある質問

  • Q. ファイルの読み書きってどうやるの?
  • A: ファイルの読み込みや書き込みには、Bash/Shellスクリプトで使える様々なコマンドがあります。代表的なものとしては、

    cat

    echo

    read

    printf

    などがあります。

  • Q. 環境変数って何ですか?

  • A: 環境変数は、シェルスクリプトで使われる変数で、プログラムが実行される環境に関する情報を保持します。例えば、

    PATH

    は実行ファイルを検索するディレクトリのリストを保持しています。

  • Q. シェルスクリプトでの条件分岐はどうやるの?

  • A: シェルスクリプトでの条件分岐には、

    if

    文を使用します。

    if

    文の後に条件を書き、

    then

    で条件式を終えて、実行するコードを記述します。最後に

    fi

    if

    文を終了します。

  • Q. シェルスクリプトでの関数の定義方法は?

  • A: 関数は、

    function

    キーワードを使って定義します。関数名を記述し、波括弧

    {}

    で囲んで中に処理を記述します。関数を呼び出すには、関数名を記述するだけで呼び出せます。

  • Q. シェルスクリプトでの変数のスコープはどうなっていますか?

  • A: シェルスクリプトでは、デフォルトで全ての変数がグローバルスコープとなります。ただし、
    local

    キーワードを使うことでローカルスコープの変数を定義することができます。

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